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ボーイ・ミーツ・ガールのSCALAのレビュー・感想・評価

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)
4.4
やっぱり映画の処女作って監督の青さとか熱量とか作家性が全て詰まってる気がして好き。

良く言えば若くて瑞々しい、悪く言えば青臭くて痛々しい。新鮮だが未熟でもある果実のよう。

引用やオマージュで埋め尽くされていたり、内面の世界を映し出したような抽象的で難解だという意味でヌーヴェルバーグの再来と言われたのも理解できる作品だった。

フランス語の持つ散文詩のようなリズムで紡がれるモノローグと綺麗なモノクロの映像美も最高にマッチしていて心地良い。

序盤のシーンでミレーユにゆっくりとカメラが寄っていくところやタップダンス、その後のキスするカップルをアレックスが見つめるところなんかはもう神がかり的な美しさのショットだった。

恋愛で傷付いた似た者同士の男女の出逢いを描いた内省的で破滅的な物語だからあり得るとは思っていたけど、あまりにも不意に訪れた結末に暫く呆然としてしまい次第に深い悲しみに襲われた。

アレックス三部作の中ではポンヌフが一番好きだけど個人的にはこれも引けを取らないくらい好き。


"負け犬で終わりそうだ"
"チャンスはあったのに"
"非凡な人間になりたかった"


"孤独だと自分が興味の中心になる"
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