【第77回アカデミー賞 主演女優賞ノミネート】
『メフィスト』イシュトヴァーン・サボー監督作品。サマセット・モームの『劇場』を映画化した作品。主演のアネット・ベニングはゴールデングローブ賞コメディ部門の主演女優賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされた。
面白かった!アネット・ベニングのベストアクトではないだろうか。溜めて溜めての最後の復讐劇には拍手!まさしく女優魂を感じるベニングの輝きが凄まじい。
自分を弄んだ男への復讐劇というのが大筋。若い男とのロマンスをクラシカルに描きつつ、舞台の上で輝く大女優をベニングと重ね合わせて描いている。時代物を特異とするサボーの手腕も冴え渡る。
ひたすらベニングの独壇場。彼女のポジティブなパワーで持っている映画と言っても過言ではない。
話としても面白く、スピーディに進んでいく語り口も小気味良い。原題は「Being Julia」だが、「華麗なる恋の舞台で」という邦題もなかなかナイス。
アネット・ベニングの輝き、サボーの小気味よい演出、クオリティの高い美術や衣装、全てが上手く噛み合った隠れた名作。