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セントラル・ステーションのerityhoneyのレビュー・感想・評価

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)
3.6
大学時代の演劇部の先輩が、すごく良かったと言っていて、いつか必ず観ようと決めていた作品。

自分の気持ちを言葉にして、大切な誰かに伝えたいという気持ちが、いかに純粋で、尊いものなのか、思い知らされる作品でした。

舞台は識字率の低い、ブラジル。1998年の作品です。現代に生きて、スマートフォンで一瞬にしてメールを送れる人々の心には、どのように届くのでしょう。そんなことを何度も考えながら観ました。1,400kmも離れた土地へ出稼ぎに出て、10年近くも連絡が取れない、生きているかもわからない父親の元へ、小さな少年が何日もかけて会いに行くストーリーです。

人生には失敗や裏切り、孤独や悲しみが満ち溢れているけれど、成功や赦し、愛情や温もりも必ずある。汚さがストレートに表現されているので、美しさが清々しいほど輝いて映ります。
映画にはCGなんて必要ない、世界は、人の心はこんなにも美しいのだから。そう思わせてくれる作品でした。
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