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第七天国のzoeのレビュー・感想・評価

第七天国(1927年製作の映画)
5.0
素晴らしい作品に出会えました。またひとつ、大好きな作品が増えて幸せです。愛と平和の大切さ、愛する人がいるのことの素晴らしさを改めて感じました。鑑賞後は色んな感情で胸がいっぱいになり、赤と緑と灰色が見えました。

こちらも活弁入りを鑑賞し、弁士は澤登翠さん。これは活弁入りで観れて本当に良かったです。澤登翠さんのお声がさらに哀愁を誘い、愛おしさを生み、感情を揺さぶります。

怖がることをやめた彼女はそれまで以上に輝きを放ち、とても美しかった。シコのぶっきらぼうな態度もなんだか可愛らしくて、ホースの扱いに慣れていない彼も、そんな彼とゴバンとのやり取りも面白い。椅子にかけた彼の上着に包まれる彼女の愛らしさと言ったらそれはもう言葉では表しきれないくらいだった。愛してると言うまでに時間がかかってしまう不器用なところも彼女は好きなんだろうな。

戦争シーンは本物と錯覚してしまうほどリアルで、観ていて目を背けたくなりました。絶え間なく降り注ぐ爆撃、目の前が見えなくなるほどの炎と煙。無意識のうちに体に力が入り、息を呑み、彼らが無事に愛する人のもとへ帰れるよう願っていました。

中盤まではまさかこんな展開になるとは思いもしていなくて、知らぬ間に涙が頬を伝っていました。

『毎日この時間…11時に君のもとに戻って来る』
『シコ ディアーヌ 天国』

愛する者を残して戦場へ向かう男性たち、愛する者を危険な戦場へと見送る女性たち。何年もの長い歳月のなか、不安に苛まれながらも希望を持ち続け、上を向くことをやめず、肩を並べて戦った2人の愛は永遠に輝き続ける。人々の歌うラ・マルサイエーズが彼女を悲しみで包み込んでいた。

七階にあるシコの部屋までディアーヌが度々手を引かれながら階段を上って行くシーンと2人が星空を背にして窓際に座るシーンが好きです。

早速DVD購入しましたが、活弁入りのものはなくてとても残念です。きっとすぐにでも活弁入りのディスクが発売されることを願ってます。





↓自分用のメモです⚠️ネタバレ含みます

働くのは地でも住むのは星のそばさ
第七の天国 最上の天国さ
ぬかるみに光る宝石のように見えた
怖くないわ、もう決して怖がらないの
彼らに残された時間が少ないことを知らせる軍歌の響き
見送る者 見送られる者
戦争の影がパリの全市を覆い尽くす
さらば…天国
絶望に打ちひしがれる間もなく戦場に向かってひたすら足を動かす彼の心は一体
わたしたちは肩を並べて戦っているの
今大事なのはそのことだけ
zoe

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