りっく

テルマエ・ロマエのりっくのレビュー・感想・評価

テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)
2.5
本作の前半はタイムスリップによる「カルチャーギャップもの」である。
だが、まずその構成が良くない。
現代日本に何度もタイムスリップを繰り返し、その体験をテルマエ建設に生かす。
その流れがここまで繰り返されると飽きるのも当然。
しかもヒロインとのロマンス模様も本当に中途半端。
上戸の本来持つ魅力に救われているだけで、キャラクター的には書き割りそのもの。
古代ローマを茶化す上から目線も鼻につく。
笑いを生じさせるためのものであるとしても、最後には古代ローマ帝国の偉大さを何かしら讃えるべき。

後半は完全に脚本の練り不足。
ヒロインの実家である旅館の件は投げっぱなし。
現代日本から古代ローマにタイムスリップした人間たちも、ほとんど生かされてこない。
そして兵士のためのテルマエ建設の、あまりのスケールのショボさ。
現代日本から古代ローマへの一方的な視線しかない。
双方向の文化や文明を持ちかえり、自国や自分の身の回りの事柄に生かす。
そのような風通しの良さが必要であったように思う。
りっく

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