ちいさな泥棒

危険な年のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

危険な年(1982年製作の映画)
2.6
スカルノ政権末期の1965年インドネシアが舞台。シガニー・ウィーバーとメルギブのロマンスは正直いらず散らかり気味なのでイマイチ誰にも乗れず。写真家ビリーとメルギブの関係を掘り下げた友情物語のほうがよかった。ビリーの熱い思い尊敬が憎しみに変わる瞬間などそこをもっと見たかったな。

ジャケがロマンス推しなのでメインなんだろうけどふわっふわ監督もほんとにメインにしたかったのか疑問に思える。大人の事情があったに違いない(と勝手に推測)ビリーの撮り方は力が入っているように感じたから。リンダは男性役を演じ助演女優賞を受賞したのは妥当すぎるほど妥当。あの目は素晴らしい…

『キンダガートン・コップ』ではファンキー寄りな校長先生。今回でちゃんと名前認識リンダ・ハント。『危険な年』では小人症の男性役だけど元々の彼女のもつ魅力であの役ができている気がした。どちらの作品でも説得力のある目力。グッと見つめる眼力は誰でも惹きつけられちゃうかも。チャーミング。

社会派の皮を被ったラブロマンスで騙されたってレビューがあったよって教えてもらったけど思いっきり、燃え上がる恋のさなか暴動に巻き込まれ…なあらすじだしジャケ見ればわかると思うんだが…私はその逆でロマンスといいつつ〜?を期待してたけど、うまくまとめられてないのはピーター・ウィアーらしくなかったな。


「 月の水 」ジャワのことわざで高嶺の花という意味らしい。とてもきれいな表現だなと。新しく仕入れた言葉だからかもしれないけど高嶺の花より月の水といわれたほうが、たしかに手を伸ばしてもそう簡単には手に入らないものだな…と強く深く無力さを実感させられる。