1909年冬、14才のセリーは父に強姦されて出来た女の子を出産する。オリビアと名付けたその子は上のアダムと同じく父が連れ去った。母はその後死亡。父は妹ネディにも目を付け始め、父だけでなく町のミスターと呼ばれる男も同じくネディに目を付けていた。ミスターは父にネディをもらいたいと申し出るが、父はセリーならやると答える。セリーは奴隷同然にミスターの妻となり、荒れた家の片付けや前妻の三人の子供たちの世話を始める。
▶︎アリス・ウォーカーのピューリッツァー賞受賞作をスティーヴン・スピルバーグが映画化。スピルバーグが始めて手掛けた人間ドラマ。
第58回(1986)アカデミー賞で10部門にノミネートされる。音楽はクインシー・ジョーンズ他。リメイク版放送に合わせ再鑑賞した。
服従するセリーとへつらわないソフィア、自立するシャグとの対比は、セリーの立ち位置を際立たせていて、感動のラストこそあれど差別される黒人・女性の姿に気持ちが重苦しくなる。
1909年〜1937年の虐げられた人生で、妹ネディとの再会を願うことが最大の希望で、妻というよりミスターの所有物でしかないセリー。終始セリーが“ミス”セリーと呼ばれていたことも象徴的だ。
セリーを映画初出演とは思えないウーピー・ゴールドバーグが見事に演じている他、今は司会者として有名なオプラ・ウィンフリーもソフィア役で出演している。
後半に行くにつけストーリーのやっつけ感は気になるものの、原作の力もあり記憶に残るドラマとなった作品。