よしおスタンダード

天安門、恋人たちのよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

天安門、恋人たち(2006年製作の映画)
3.0
No.2740

ザラザラとした質感。
ヒリヒリと痛む内面。

若者たちのささやかな日常に、突如「天安門事件」が混入してくるさまは、

同じく、若者たちの生活に「戦争という非日常」が混入してくる「ディア・ハンター」を想起させる。

キュアロンの「ROMA/ローマ」も、普通の生活の中に突然、非日常である「暴動」が闖入し、主人公たちを翻弄していく。

本作のなかでも、
若者たちは出会い、別れ、セックスをし、すれ違う。
若者たちは傷つき、癒し合い、また体を求め合い、生き急ぐ。

ロウ・イエの挑戦は、まだまだ続く・・。

本作を巡る中国当局とのせめぎ合いから、
次作「スプリング・フィーバー」へと至る道。

その道を含めて、本作は評価すべきなのだろう。