トランスマスター

キル・ビル Vol.2のトランスマスターのレビュー・感想・評価

キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)
4.5
♯150 『五天掌爆心拳』

テキサス州エルパソの二本松教会の惨劇の再現やビルの弟エドが用心棒として働くポールダンスのストリップクラブでの寸劇や、ビルの部下一行全員が中国武術を教わったメンター→パイ・メイからの修行シーンそして圧巻のクライマックスなど見どころ満載の復讐劇です。

◆良い点/注目ポイント
・テンガロンハットを被るエドとストリップクラブオーナーとの会話劇のセンスはタランティーノならでは「カレンダータイムを始めよう。」とか本当に見事です。
・中国のカンフーパートのキャスティングでジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポーやユン・ピョウではなく少林拳映画の傑作『少林寺三十六房』のあばれる君でお馴染みのリュー・チャーフィーを起用するなど西洋人とは思えない程の東洋愛。
しかもこのアクションパートだけ香港のワイヤーアクションを使っているほどのこだわり。また虎鶴拳と鷹爪の演舞や寸頸(ワンインチパンチ)の修行など80’sのカンフーブームを彷彿とさせる演出が堪りません。
・カリフォルニア・マウンテン・スネークの愛車がトランザムのファイアーバードというセンスの良さに脱帽です。
・生き埋めにされた主人公のウエスタンブーツの中に床屋で使う剃刀が入っていたのはあの映画へのオマージュ❓
・B.Bと出会ってからのホッコリパートもクライマックスへ向けての小休止です。

◆改善点
・ビルの吹く尺八は縦笛の方がしっくりきます。

◆総括
・庭のテーブルで座りながらの殺陣から最終奥義までの映像とBGMは何度繰り返し見ても鳥肌が立つ感動シーンです。
本当にあの効果音はヤバいです。

-2020年 150本目-