カルト教団「真理の箱舟」が無差別殺人を起こし、5人の実行犯が教団の手で殺害され、教祖も自殺した事件から3年後の夏。4人の加害者の遺族はその命日に遺骨を撒いたとされる湖畔に集まる。
ずっと見たかった是枝監督の初期(第三作目)の作品。
今見ると、そうそうたる俳優さんたち。
しかも、俳優さんたちに渡された台本には自分の台詞しか書いておらず、物語の全貌は映画が出来上がるまでみな知らなかったらしい。今、監督が子役に対して行っている「口伝え」と同じ。
それだけに、それぞれの人の素が見え隠れして面白かった。
今も昔も監督は「家族」を描いていたんだな。
自分の愛する近しい人が、遠くの世界に行ってしまう。
その人のことをどれだけ知っていたのだろうかと思う。そう思ったときは遅いのだが…。
「幻の光」のレビューにも書いたが、
無性に黒沢清監督の「岸辺の旅」が見たくなった。
