ジム・ジャームッシュ監督のオムニバス映画
5つの街で展開されるタクシー運転手とタクシーに乗った客との会話劇。
全エピソード、面白かったです!
1話目
ロサンゼルス
若い女性タクシー運転手とハリウッドのキャスティングプロデューサー。
この頃、イケイケだったウィノナ・ライダーと女優として熟成されきったジーナ・ローランズの暖かいドラマ。
とにかく煙草の吸いっぷりがカッコ良すぎるウィノナ・ライダー!この映画は彼女がアイコンになるのが分かる。
またカサヴェテス映画が大好きなジャームッシュは、どうしてもジーナ・ローランズを起用したかったのが伺える
2話目
ニューヨーク
黒人のヨーヨーと義妹アンジェラ、彼を乗せたドイツ人運転手ヘルムートの話。
一番笑えるし、これもホッコリするストーリー。ニューヨークは危険な街だけど自由もたくさんあるな。
3話目
パリ
黒人運転手と盲目の女性の話。
肌の色に対する偏見からの障がい者に対する偏見を皮肉っぽく描き出す。ラストのクスッと笑っちゃう終わり方も良い。
4話目
ローマ
おしゃべりな運転手と重病な神父
ずーとマシンガントークしながら懺悔をするロベルト・ベニーニ!笑えるけど、途中からそのテンションでそんな展開になるの?!と驚かされる。
そして最後は笑っていいのかダメなのか分からないような終わり…。
5話目
ヘルシンキ
寡黙な運転手と酔っぱらいの男3人
とんでもなく不幸な出来事にあった男を慰める2人の男だったが、運転手からもっと不幸な話を聞かされて…。
切なくなる物語だが、自分が一番不幸だなんて安易に口にしてはいけないことが分かる。
そして、早朝の静けさがその哀しみを美しくしエンドロールへ…。
特に好きだったのは、ロサンゼルス、ニューヨーク、ヘルシンキのお話でした。皮肉な内容よりも素直に感動するストーリーが好きなので。
でもよく考えたら、この映画の登場人物は自分のことだけ考えていきてるなと。それを自己が強いと肯定的に取るか、自分勝手と否定的に取るかは自由ですが、この地球にはこんなにも似たような人たちがいるのだと変に感じました。
ジャームッシュは後に『コーヒー&シガレッツ』というオムニバス映画作りますが、その構成にも似てますね。
あの映画の最後のエピソード、老人2人が死ぬ前に聴く音楽について語る切なさは、ヘルシンキのエピソードにも似てました。
これはかなり人気になるのが分かる映画ですし、みんな真似しましたね(『ちょっと思い出しただけ』とか)w
凄く好きな映画でした!