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ナイト・オン・ザ・プラネットのHKのレビュー・感想・評価

3.8
ジャームッシュの代表作の1本なのにクリップしたまま何年もスルー。
今月でU-NEXTの配信終了らしいのでようやく初鑑賞(最近このパターン多し)。
おっと、公開後30年も経ってる。ウィノナ・ライダーが若いはず(当時20歳)ですね。
W・ライダー(こう書くと仮面ライダー1号・2号みたい)の出演作はこの前後の『シザー・ハンズ』『ドラキュラ』は公開当時観ているのに本作は飛ばしており、当時の嗜好が明確。
これまでさんざんジャケ写は見ていながら、今回ライダーの後ろにいるのがジーナ・ローランズだったと初めて知りました。

原題は“Night on Earth”(地球の夜)
地球上の5つの都市(ロサンゼルス・ニューヨーク・パリ・ローマ・ヘルシンキ)の夜、タクシーの運転手と乗客のやりとりがオムニバス形式で描かれます。
オープニングのくるくる回る地球とズンドコした音楽からもうこれは面白いぞという予感。

1話25分前後×5話なので1話あたりTVの30分枠ドラマくらいの長さ。
始まってみるとやっぱりこれが面白い。
すごい事件なんて起きないのにタクシー道中の会話が面白い。
ちょっとTV「突然ガバチョ!」のつるべタクシーを思い出したり、映画『バカヤロー! 私、怒ってます』の第三話のタクシーの話を思い出したり・・・

ロサンゼルス編は前述のライダー(運転手)とローランズ(客)。1話目で掴みはOK。
ニューヨーク編の運転手(?)のアーミン・ミューラー=スタール(『ミュージック・ボックス』『聖なる嘘つき』)、この人本当に東から西ドイツに逃亡した人ですね。という事はあのセリフはアドリブ?
パリ編の座頭市みたいな客は、ポスターしか観たことのないのに『ベティ・ブルー』の主演女優だとわかってしまう強烈な個性のベアトリス・ダル。
ローマ編はロベルト・ベニーニ(運転手)の悪ノリ独り舞台。
凍てつくヘルシンキ編の運転手はアキ・カウリスマキ監督作常連のマッティ・ペロンパー。

五つの話は大きなハズレもなく、十分楽しませていただきました。
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