たけ

ウェンディ&ルーシーのたけのネタバレレビュー・内容・結末

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと漂ってる、鬱々とした空気。ルーシーとの会話とウェンディの鼻歌が少しでも霧を晴らしてくれるかと思いきや、余計に重くなる空気感。「アイノウ アイノウ」って。自分に言い聞かせてる様な現実逃避している様な、するしかないような。あの鼻歌はウェンディにとってのお守りみたいなものなのかしら。遠い昔に聴いた思い入れのある歌、あの頃を思い出して歌うのかな。そんな想像もしつつ観ていて、ずっと苦しくて苦しくて。苦しいこととか悲しいことばかりだから警備員のおじさんのやさしさがより際立って見える。ウェンディに良いことなさすぎて、あたたかさや、やさしさに敏感になっている自分がいた。長いこと、こんなあたたかさに触れてなかったのかなって想像しながら。苦しさに鈍感になっていって、しあわせに敏感になる感じ。
昔飼っていた犬のことをずっと考えてた。ウェンディはルーシーのおかげで生きていける。ルーシーのために生きていける。
鼻歌とルーシーが、ウェンディのお守り、心の拠り所。自分の中の大切なものがひとつでもあれば、きっと大丈夫。自分の心の中の大切なものは誰にも潰されない。
だいすきな作品のひとつになった。
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