この監督の作品は、晴れやかな気分になるテイストのものではないんだなと、確信を深める3作目。
でもこの不思議なヒーリング感はなんだろう、、、やたら沁みたのは、日暮れの時分に観たせいかな。
これまでの2作に比べると、主人公であるウェンディの気持ちが見えやすくて、寄り添える部分があった。
1人と1匹の孤独で心許無い旅路は、トラブルに見舞われた途端に破綻してしまうくらい脆いものだったけれど、それでも『River of Grass』の彼女よりは、ウェンディは目的と行く先をちゃんと持っていて希望が見えたし、ルーシーへの愛情もあったし、だからこその決断だった。
描かれていることはどうしようもなく現実的だったから、あの警備員のおじいさんがいてくれて本当に良かったし、ああ誰の人生でも彼のような人がいて欲しいなって思った。そうしたら、心の最後の芯は折れずに生きていける気がする。
そしてあわよくばわたしは誰かのそんな人になれるかな、なんてね。