ベビーパウダー山崎

ヤコペッティのさらばアフリカのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.0
味をしめたヤコペッティの手口はますます巧妙に(悪質に)なっていて、グロとゴアでショックを与える明らかに見世物なんだけど、「目を背けたくなるこの残酷な現状を、私たちは社会正義のために映しました」みたいな戯言を真顔で語っているので更にたちが悪い。実話の一場面を肥大化させて演出しまくるヤコペッティ、どのドキュメンタリー(ノンフィクション)も多かれ少なかれ作り手の思想を元に現実を映してはいるので、ヤコペッティのアプローチは倫理的にはぶっ壊れてるけどこれも表現(映画)の一つ。
道に転がる死体など撮影された記録映像の何割かはリアルで、その衝撃を元にして状況を演出(ヤラセ)しているのが大半だと俺は思ってる。動物の残虐な狩りも撮影のために金払ってやらせているなら最悪ですね。ドキュメンタリーと名が付けば殺人鬼でもキチガイでも死体でも映し放題、客のゲスな好奇心を満たす究極の娯楽。ヤコペッティの世界で140分弱はなかなか長くて、かなり疲弊した。