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パリ、テキサスのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.0
サム・シェパードの脚本をヴィム・ヴェンダースが監督したロードムービーの傑作。
原題: Paris,Texas, (1985)

テキサスの広大な砂漠の中、一人の男がどこかに向かっている。
男はトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)といい、4年前に失踪したまま行方不明になっていた。弟(ディーン・ストックウェル)が駆けつけるが、記憶をほとんど失っている様子。
実は、彼が行こうとしていた場所はテキサス州のパリで、父と母が初めて愛をかわした所だった。
ロサンゼルスにある弟の家に着いたトラヴィスを、弟の妻(オーロール・クレマン)と、弟夫婦に育てられもうすぐ7才になるトラビスの息子ハンター(ハンター・カーソン)が迎える。
父と子は初めはぎこちないが、やがて心を通わせる。
でも、トラビスの妻=息子の実の母ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)はいない。
トラビスと息子はジェーンを探しにヒューストンに旅立つ…。

ドラマの山場は、マジック・ミラーのある個室でのトラヴィスとジェーンの再会シーン。

そして、ラスト…

「"嫉妬"は男にとって愛の証だった」

妻を愛するがゆえに猜疑心が強まり精神が耐えられなくなった男、孤独で疎外された男の魂は、いつになったらさ迷うことを止めるのか?
ロビー・ミュラーのカメラが写し出す流麗な風景とライ・クーダーのスライド・ギターのもの悲しいの旋律が主人公の孤独な心を代弁する。
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