砂米

パリ、テキサスの砂米のネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

始まりから何となく『バグダッド・カフェ』を観た記憶が蘇った。

延々と電柱に従って黙々と歩く、荒野でガソリンの容器を片手に持つ痩せた男。
この冒頭から、あんなに切なくて美しいラストに着地する物語だと予想できた人はいるのだろうか。

最初に登場する医者が中々個性的だったので、すぐ退場してしまったのが寂しかった。

ナスターシャがびっくりするほど美しい。
ビデオの中の幸せそうな二人が、本当に一番幸福だった時の姿だったのだと知り胸がツキリとした。
ハンターが実の母とやっと会えて、抱き合い最高に幸せそうだったのは良かったけれど、弟夫婦の心境を考えれば考えるほど苦しい。
子どもの気持ちが第一優先と分かりながらも、なんだかな…。
心からの親切心で兄を手助けしてくれた弟はどんな気持ちなんだろう。ハンターを実の息子のように溺愛してた奥さん…
理由があるにせよ、子どもを置いていった実親が後から子を取り戻しにくるのは当たり前なのか、どうなのか…。今回は息子から会いに行ったけれど。
全員は報われないのだな、と現実はほろ苦い。

ラストの、夜明けのピンク色の空と緑色の駐車場のグラデーションが美しかった。そこに佇むトラヴィス。
小さくて四角い、味の違う二粒が一袋に入ってる飴を思い出した。
砂米

砂米