◆あらすじ◆
13歳のジェフは女優の母を撮影中の事故で亡くし、父の獣医師・チェイスとともに田舎町に引っ越す。ジェフは知り合ったドリューの愛犬のゾーイが義父の保安官ガスに殺されたため、ドリューとともに死者が蘇るという噂の墓地にゾーイを埋葬する。するとゾーイが蘇り、ガスをかみ殺してしまう。ジェフとドリューはガスもその墓地に埋葬して蘇らせてしまうが...。
◆感想◆
「ペット・セメタリー」(1989年)の続編となり、前作の舞台となった田舎町に主人公たちが引っ越してきて、ペット墓地の秘密にかかわっていくものになっています。前作を観ていなくても楽しめると思います。
主人公のジェフ(エドワード・ファーロング)は女優の母のルネを敬愛しており、映画の撮影現場で感電死したところに出くわしており、ショックのまま、父のチェイスに引き取られ、田舎町に引っ越します。父が雇った若いハウスキーパーに敵意を示すなど母への恋しさが強く残っており、本作にもそれが強く影響していました。
ジェフを中心にストーリーが進んでいきますが、カギを握るのが友人のドリューとその義父の保安官のガスであり、ガスの高圧的な態度に辟易しているドリューは愛犬のゾーイをガスに撃ち殺されたことにより、ジェフに助けを求め、ペット墓地の奥にある埋葬地にゾーイを埋葬してゾーイを蘇らせようとします。ゾーイが蘇ったことにより、ストーリーは埋葬地を多用する展開になっていき、破滅的な方向に進んでいきます。この流れが非常にグダグダで、ゾーイの復活後に人を何度も蘇らせており、埋葬地の狂気や特別さがかすんでしまっているように感じました。
保安官ガスが蘇ってから、ガスの行動により残酷な描写が多くなります。ホラー作品としてはその狂気に満ちた行動は楽しいのですが、ストーリー全体として見ると、主人公のジェフの存在が薄くなってしまい、メリハリが無いものになっていたように思います。せっかく最初に母を亡くしているのだから、さっさとジェフが母を蘇らせる展開に持っていけば良いのに、と思ってしまいました。
ジェフを演じるエドワード・ファーロングの魅力で最後まで観ることができ、そこそこ楽しめましたが、埋葬地の使用を安売りしてしまっている点は残念に思いました。
鑑賞日:2024年7月15日
鑑賞方法:U-NEXT