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緋牡丹博徒 一宿一飯のchankieのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 一宿一飯(1968年製作の映画)
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「動いてごらん!こん一発で、親分さんの旨に血の花が咲くとよ…」
ハジキよりも小刀戦闘のシーンが多くて嬉しい。どっちも好きだけどやっぱり後者の構えと立ち振る舞いの方が好み。
今回も悪役がとことんクズで1番の被害者であろうマチさん可哀想すぎる。ヤクザが元締めの製糸工場で酷使される女性、暴力を振るわれる女性、婚前前に強姦されてしまう女性など、これでもかと女性に悲劇が起こる。
旦那の出所前に処女を奪われ、失意のピークに自殺しようとするマチさんに、牡丹の刺青を見せながら「私もこなかもん背負ってるけん、マチさんの気持ちはようわかります。でも、人を好きになるのは心じゃけん。誰も心に墨は打てんとよ」
と涙を流し、説得するお竜さんにこちらまで救われる思い。なぜこの映画が人気なのかよくわかる。当時の女の人はどんな思いでこのシーンを観てたのだろう。

そして今回の高倉健ポジションの後釜は鶴田浩二。死に方も同じ。笑 高倉健とはまた違う良さがあって、お竜さんの簪をさしてあげるシーンなんかはうぉぉおっと2人のオーラと間に痺れた。なにこの最強感。
あと菅原文太、しぶとく生き延びそうだな〜と思ったけど結構アッサリいっちゃうのねん。

最後の太鼓のシーンがとても印象的で、富司純子の太鼓さばきと華麗な泣き顔があとをひいた。
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