いはん

パーフェクト ワールドのいはんのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.4
“Only killed two people in my whole life.
One hurt my mom.
One hurt you.”

最後の20分。FBIが銃を構え始めてからその後のことは全て想像がついた。それでも心のどこかで願っていたハッピーエンディングは、一瞬のうちに消え去った。拭えきれない涙と消えない悲しみの中、何がパーフェクトワールドだったのかを考えた。

ワルには決してなれなかったブッチとそんなブッチを父のように慕ったフィリップ。二人で手を繋いで歩き、抱きしめ合う瞬間は本当にパーフェクトワールドであった。でも、永遠に続くパーフェクトワールドなんていうものはなく、全ては泡のように消え去ってゆく。こんなにも父親らしい父親が居たのだろうか。ブッチとフィリップの過ごした無数の瞬間がエンディングソングと共に思い出され、私の涙はさらに止まらなくなった。ずるい、ずるい映画だ。
いはん

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