長崎ちゃんぽん

キック・アスの長崎ちゃんぽんのネタバレレビュー・内容・結末

キック・アス(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃、仮面ライダーが好きだった。戦隊モノもウルトラマンも、特撮が好きだった。母親にねだって、グッズを買い漁り、毎日、毎日、ヒーローと怪人を戦わせた。
それは今の子供だって、そうだ。
だから、今でも戦隊モノ、仮面ライダーが放映されている。新しいウルトラマンも来週から、始まるらしい。
子供達はなぜ、ヒーローが好きなんだろうか。ヒーローは様々な能力を使って、怪人を倒す。子供達は、ヒーローが持つ特別な力に憧れるのか。いいや、そんなことはないはずだ。
「キックアス」に、特別な力を持つヒーローは登場しない。主人公も熱狂的なヒーローオタクというだけで、めちゃくちゃ弱い。あどけない少女のくせに、バッタバッタと敵を斬り殺すヒーローはいるが、それは訓練の賜物だ。
劇中で、暴漢3人に襲われている人を主人公であるキックアスが助けるシーンがある。キックアスにナイフを突きつけながら、暴漢の1人が言う。「赤の他人の為に、死ぬ気か?」キックアスは言う。「3人がかりで、1人をリンチ、他の奴らは黙って見てるだけ。僕にはそれが許せないんだ。僕は死んでも構わない。かかってこい!」
このセリフに正義を感じた。
子供達がヒーローを好きになるのは、ヒーローが特別な力を持っているからではなく、悪と対峙するヒーローに、自分の胸の奥に眠る正義の心を少しでも、揺さぶられるからではないだろうか。
「キックアス」は、真っ直ぐな正義を感じられる、とても良いヒーロー映画だった。