漠然とした〝憧れ〟ほど虚しいものはないが、それが活力となり生きる糧ともなるのなら素敵な〝憧れ〟を望みたい。
自由への扉はその気になれば簡単に開くことができるはずだが、勇気だけでは扉は開いても前へ進むことはできない…自由とは責任が伴ってこそ成立する。
内なるココロに秘めたコントラストは、まだ見ぬ遥か遠くのオアシスの地〝TUVALU〟に憧れて。
他人の好奇心や憧れなど人間感情を遠目で俯瞰したら、不可思議で滑稽に写ることも有る。
それが純粋なモノほど分かりやすく単純で、気づかぬうちに応援すらしてしまう事がある。
閉ざされた空間の中で生きる者にとっては、妄想の世界だけが唯一の慰めかもしれない。
現状に不満でも何とか細々と生きていけるなら、ここも1つのオアシスと考えるのもいいだろう。
しかし外の世界は過酷で厳しいだろうと頭で分かっていても、憧れの気持ちが〝勝り〟扉を開くことは人間らしくていいじゃないか。
荒波に揉まれ逆境に立ち向かったその先に、本当のオアシスはあるのだから(あると信じたい)。
困難な夢や希望も1人より2人で目指す方が、一歩も二歩も近道であることは確かだ。
セピア色の空に黒煙をモクモクと吐くオンボロ船のその先は、現実世界に飲み込まれてしまうかもしれない…向かう先が〝沈みゆく島〟なのだから悲しいじゃないか。
幸せそうな2人を見れば見るほど、悲しい結末を考えずにはいられず切ない気持ちになる。
言葉など不要で意味はない、ドニとアントンが一体となった滑稽で切ない物語..★,