あかつか

キネマの天地のあかつかのレビュー・感想・評価

キネマの天地(1986年製作の映画)
3.5
浅草の映画館で働いてた小春ちゃん(有森也実)がスカウトされて松竹に。田中絹代がモデルらしい。蒲田撮影所で出会う監督たち、裏方さんたち、俳優たち。背後に軍部と忍び寄る戦争。書棚にあるマルクス兄弟の本を見た特高が「マルクス読んでやがる!」って。

「もっとも残酷な瞬間は、映画館の灯りがつく時だ」と誰かが言ってた。大衆娯楽って言葉がピッタリだなぁ。映画館がテレビになって、テレビがスマホになって、人と人とのつながりはどんどんバラバラになっていく。

ところで本作は、松竹のシンボル『蒲田行進曲』をテーマにした映画を、東映出身の深作欣二が(しかも京都で)撮ったことをきっかけに、「松竹の人間で松竹の歴史を!!!」となり、山田洋次が撮ったとか。

もはや失敗は許されない総力戦なので挙げたらキリがないほどのオールスター。中井貴一、渥美清、松坂慶子、松本幸四郎、岸部一徳、堺正章、ハナ肇…。とらやの倍賞千恵子と前田吟と吉岡くん、下條正巳、三崎千恵子、笠智衆、佐藤蛾次郎に混じって一瞬出川哲朗出てたぞ。


映画終盤にも描かれているように、蒲田撮影所は大船撮影所に機能を移すことになる。その大船撮影所はのちに鎌倉シネマワールドとなったわけだが一瞬で閉園。ディズニーランドにも行ったことがなかった小学生の頃、このマイナーなテーマパークに行ったのちょっと自慢。
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