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「キネマの天地」に投稿された感想・評価

凌

凌の感想・評価

3.8
松竹映画黄金時代へのオマージュ作品
また豪華俳優陣によるオールスター作品でもあったな

松竹大船撮影所50周年記念作品
この映画製作の契機としては、松竹映画の象徴である「蒲田行進曲」(1982年/つかこうへい原作・脚本)というタイトルの映画を、ライバル会社である東映出身の深作欣二が撮ったことを野村芳太郎プロデューサーが無念に思い、松竹内部の人間で「過去の松竹映画撮影所」を映画化したいという思いがあったという
また、1971年8月の第9作「男はつらいよ 柴又慕情」以降、「盆暮れ」で年2回製作されていた「男はつらいよ」も、こういった経緯により、1986年の夏は製作が見送られた

舞台は松竹が撮影所を大船に移転する直前の1934年頃の松竹蒲田撮影所
城戸四郎所長以下、若き日の斎藤寅次郎、島津保次郎、小津安二郎、清水宏ら気鋭の監督たちが腕を競い、田中絹代がスターへの階段を上りかけた黄金期である
この時代の映画人たちをモデルにして書かれた脚本には井上ひさし、山田太一も参加した
また、浅草の映画館の売り子からスター女優になる主役の田中小春役を藤谷美和子が降板したため、役モデルと同様に新人の有森也実が抜擢されて話題になった
Shun

Shunの感想・評価

3.8
松竹大船撮影所50周年記念作
映画が活動写真と呼ばれてた時代を描く、山田洋次監督安定の映画愛溢れる暖かい作品


元旅役者の喜八を父に持ち、映画館で売り子をしていた田中小春は、松竹の名監督である小倉金之助に目をつけられ、端役として役者の道に進むことになる


・1930年代、戦前の映画
当時の映画・そして松竹を、監督や脚本家、所長、庶民、役者などのいろんな目線を知ることのできる作品でした
映画を作ることの楽しさだとか、難しさ、役者の大変さとかがとにかく詰まった2時間でした

助監督島田の大学の先輩が共産主義者であるストーリーや、人気女優と演出家のソ連亡命など、映画にすら影響を与える当時の社会の闇も描かれています
小春の父喜八も、廃品回収?のおっちゃんも自殺しようかなんて考えてた話もあり、国民にとって過酷な時代だったのかなと伺えます
そんななか、映画は生きる希望として人々を支えていたんだなと、感慨深く思いました


・やっぱり渥美清
この映画では、主人公の父親役ですが、「男はつらいよ」の寅次郎役・渥美清がやっぱりいい仕事しています
人に、観客に伝える語り方はほんとに一流芸だと思います
倍賞千恵子も登場していて、山田洋次監督作品には2人が必要なんだなと思いました
MCUでいう、マルチバース的に映画と映画がつながっていて、もし寅次郎に子供がいたら、、こうだったのかもなとかも思いました
亡くなった嫁さんへの告白の仕方も、リリーに告白したときのセリフと一緒ですし、、



山田洋次監督の新作「キネマの神様」も楽しみです!
渥美清が出ないのは寂しいですが、、
松竹大船撮影所50周年記念作品
山田洋次監督
脚本 井上ひさし、山田太一、山田洋次、朝間義隆


浅草の帝国館(映画館)で売り子をしている小春(有森也美)
旅役者だった病気がちな父(渥美清)と二人暮らし
ある時、松竹の監督の目にとまり大部屋女優として就職する

戦前の無声映画からトーキーに変わる時代
助監督の島田(中井貴一)との淡い恋心や当時の撮影風景を通して小春の役者としての成長を描いて行く






以下ネタバレ



松竹の蒲田撮影所の所歌であり象徴だった「蒲田行進曲」をライバル会社の東映出身の深作欣二監督が撮影し映画も大ヒットしたことに野村芳太郎プロデューサーは忸怩たる思いがあった
松竹の人間で古き善き「松竹蒲田撮影所」の様子を撮影したいということで映画化

記念作品なのでセットを横浜に広大な土地を借りて建てたとか今はマンション群になっているようです

この頃「男はつらいよ」は盆暮れと年2本公開されていたが1986年の夏はこの作品の為に見送られた
その為「男はつらいよ」ファミリー総出演
吉岡秀隆さんは役名も満男のまま😁


役名は少し変えているが当時の松竹の所長や監督達(小津安次郎、斎藤寅次郎)がモデル
主役の小春は田中絹代さんがモデルだとか

劇中で次回作の主演の女優(松坂慶子)と演出家が駆け落ちして消えるのだがこれは実際の出来事(岡田嘉子、杉本良吉)を元にされており当時はかなり衝撃的な事件として扱われたとか
後に2人はソ連に亡命杉本さんはスパイ容疑をかけられ処刑される

山田監督はこの出来事に関心があったのか「男はつらいよ寅次郎夕焼け小焼け」で岡田さんを起用して宇野重吉さんとかつての恋人として自身の半生を想い描くような役をやってもらっている

そしてこの作品でチャンスを得た小春は
スター女優になっていく
実際にも藤谷美和子さんが降板した為に有森也美さんが起用されたそうで新人賞を獲得して月9などでスターになっていったのは映画とシンクロしていて劇的

劇中の「浮草」は実際の小津監督の作品
で御自身でリメイクされています🎬

当時の有名俳優達がカメオ出演で沢山参加
個人的には山城新伍さんが懐かしい😁

ほんまに映画好きなんやろなあと、この作品を作ったスタッフ達に想いを馳せる。

豪華俳優陣が見所でもあるが、結局は男はつらいよ組の渥美清と倍賞千恵子がかっさらっていくわけで。
松竹蒲田撮影所が舞台で、主人公は元役者の父親との二人暮しをしている、気立てのいい可愛らしい女の子。
基本的には主人公がスター女優になるまでのシンデレラストーリーなのだが、父娘のお互いの愛情が一番印象的。
邦画らしく静かなストーリー展開ですが、最後は思わず涙。
若き頃の中井貴一さんもとてもかっこ良い。
最後のメロディが頭から離れない。
山田洋次監督作品。
映画館で売り子をする小春は、ある日、松竹蒲田撮影所の小倉監督の目に留まり、女優になるように薦められる。エキストラから始まり、大部屋女優、そして大作「浮草」の主役と、スターの道を歩んでいく、という物語です。
出演者がとにかくオールスターという感じで見応えがありますし、特に小春の父親役の渥美清の演技は圧巻です。物語は結構ベタなシンデレラストーリーですし、いわゆるハラハラドキドキみたいなのはほとんど無いですが、山田洋次作品らしく、最後まで安心して見れていい映画だったなあって思えるような作品です。主役の有森也実さんも可愛くて綺麗で初々しくてはまり役だったと思います。
hmsuga

hmsugaの感想・評価

3.8
最近多くの小津作品を観ていたら、蒲田を題材にしたこの作品も観たくなりました。
良かった、流石は安定の山田監督。 出来すぎた話だがラストもよかった。 小津監督モデルや、なんといっても蒲田時代からの名優笠智衆さんが出演しているのが素晴らしい。
虚無

虚無の感想・評価

-
いきなり女優にスカウトされた主人公と映画作りに情熱を燃やす登場人物たちの物語。
役者の演技はどれもよかったけど、渥美清演じる父親がすごく良かった。
女優の成長を軸に進む物語・反体制側の若者・様々な映画のコラージュ、もしかしなくても今敏の千年女優のアイデア元ですか?
CM

CMの感想・評価

3.5
このテーマでやるとなったらやはり鎌田行進曲をかけるしかないから、どうしてもそっちと比べてしまう 寅さんとさくらのパラレルワールドは嬉しいし、王道のシンデレラストーリーも楽しいんやけど
渥美清さんの台詞のひとつひとつが、ご自身の人生にかかっているようで、それだけで胸が熱くなります。

笠智衆さんがまたいい。
小津安二郎のモデルを演じた岸部一徳さんが素敵で、そこに中井貴一さんがいるところがなんとも憎い。

キャスティングの隅々まで素晴らしくて、最後の藤山寛美さんがまたたまらない。
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