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グリースのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

グリース(1978年製作の映画)
3.5
【1979年の「ラ・ラ・ランド」】
高校生の頃、70~80年代ミュージカル映画が好きで、基本的なところは押さえていたのだが、観逃していた映画もいくつかあります。今回、ジョン・トラボルタの「グリース」を観てみました。果たして...

☆「グリース」あらすじ
夏休みに出会ったダニーとサンディだったが、サンディが転校してきたことで再会する。サンディはダニーのことが好きだが、肝心なダニーは不良グループに所属しており、いつもすかしている。しかし、実はダニーもサンディに想いを寄せており...

☆1979年の「ラ・ラ・ランド」
本作は、プレスリーやフレッド・アステア時代のアメリカをノスタルジックに描いたミュージカルでありました。なので、今観てもどこか懐かしい雰囲気を感じます。総天然色を意識した、ど派手なファッションに、ごてごてとした装飾。ミュージカルシーンになると露骨に出現するセット。音楽こそ、ロックなのに、従来のミュージカル映画のようなレトロ感を帯びている。

この、レトロ・ミーツ・モダンな感じどこかで見覚えが...そう「ラ・ラ・ランド」でした。「ラ・ラ・ランド」も50年代のハリウッドミュージカルにオマージュを捧げつつ、今時感を演出していた。そのバランス感は「グリース」にも通じるところがあります。

☆ゆるーいヤンキー映画
本作は不良グループを描いた所謂ヤンキー映画なのだが、「ウエストサイド物語」と比べるとかなりゆるいです。ジョン・トラボルタ扮するダニーが牛耳る不良グループは、先生にFワードもロクに言えないへっぽこグループ。授業サボると言っておきながら、先生に指摘されると、「いっ行きます」と言い始め、赤点取りそうな体育の授業も積極的に参加する。

ダニーの恋愛に対しても、意外と皆空気を読んだりするので、実はかなりの良い子ちゃん。
それだけに、少々の物足りなさを感じてしまったが、やはり音楽は良く、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた「愛すれど悲し(Hopelessly Devoted to You)」を始め、「ハウンドドッグ(Hound Dog)」など、聴きごたえのあるスコアの数々に魅了されました。

本作は、ライトなミュージカルな為、気持ちが落ち込んだときなどに観るとスカッとするまさに、心の処方箋といえよう。
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