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第三の男のmarikabraunのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
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オーソンウェルズの登場シーンはずるい。光に浮かび上がり闇が覆い隠す、あんなの追い掛けずにはいられない。地下水道の追走劇やラストの並木道、白黒だからこその映像的な魅力にあふれてる。サスペンスには不似合いな気の抜けた音楽、そのつかみどころのなさも、ハリーライムという男を知らしめる観覧車での会話でみょうに腑に落ちてしまう。人を点としか見なさない冷淡な悪党でありながら、小憎たらしい笑みを浮かべて姿をくらませる、軽妙に周囲を翻弄しつづける彼にぴったりではないか。
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