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アシスタントのmarikabraunのレビュー・感想・評価

アシスタント(2019年製作の映画)
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現実で何度もこういう「誘い」にぶつかる度に全力で逃げてきた身としては眉間の皺が止まらなかった。まだ夜が更けぬうちに誰よりも早く出社してきちんとお化粧もしている主人公に恐れ入るところから始まる長い長い一日。いかにして最低な悪習が保たれ激務によって人間性がすりつぶされハラスメントが透明にされているかを内側から丁寧に見せてくる。「君は彼のタイプじゃないから大丈夫」が何も救いの言葉じゃなくて、ジェンダーレスを謳うブランドを作りながらも、無意識のうちの差別を自覚できていない人たちに言われた似たような言葉がリフレインされて腹が立った。いっぽうで権威的な男性の下心を利用してのしあがっていく若い才能がクレバーだと囁かれたりもする、そんな構造はやっぱりクソだと言っていきたい。
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