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第三の男のSIのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
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2018.10.04
機内にて観賞

ウィーンに行くということで観賞に至った。

プラーター公園のみがピックアップされて取り上げられがちだが、構成としては「カサブランカ」などと似ていてウィーンに来た男の物語なので、オールウィーンロケである。
戦後すぐのウィーンは魔都香港のように分割統治されていてかなりカオスな印象だったようだ。立ち上がっていく時期独特の混沌とした雰囲気が強く出ている。その時点で面白い。

撮影手法としては、夜の市街地の暗さを活かした人影の効果的な演出が冴え渡っている(見たことの無い光と影)。
ウィーンの下水道(地下迷宮)の舞台装置もものすごく面白い。

第三の男が初めて現れる際の、普通の構図からホリーに付けPANすると思わせつつ観葉植物の茂みへのトラックアップ、そして茂みを通り越して第三の男を写すあのカットは最高だった。
もちろんラストカットの素晴らしさはいうまでもない。

良い映画。
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