トム

息もできないのトムのレビュー・感想・評価

息もできない(2008年製作の映画)
3.9
●あらすじ
金貸しの取り立て役のサンフンは、通りすがりの女子学生ヨニに唾を吐いてしまう。
立ち止まり振り返ったヨニは怒り、サンフンの頬を叩く。しかし、逆ギレするサンフンの殴りをくらい、ヨニは気絶する。しばらくして目覚めたヨニは、サンフンに治療費を請求する。これが2人の奇妙な出会いとなった...。

●感想
暴力の連鎖

主役を演じたヤン・イクチュンが監督、編集をつとめるデビュー作。

デビュー作でこれ凄すぎでしょ。監督自身の過去が関わっており、吐き出したかった事を描いたらしい。リハーサル無しでワンテイク撮りがリアルさを生んでいる。

暴力シーンは過剰な程にドアップな撮影手法だけど、監督の虐待を受けた過去?をより臨場感あるように見せたかったのだと思った。

主人公は訳あり家庭で、とある家庭はベトナム戦争の影響で過激な統合失調症を起こしている父がいたり、毒親ばかりの家庭が描かれる。
毒親を隠し、強がってる中、映画のキャッチフレーズの「2人でいるとき泣けた」シーンは感動もの。

韓国映画は女性にでも容赦なく暴力を振るう不器用なゲス男を描くのが上手い。
後、怖い男にも立ち向かう気の強い女性も流石だね。

ラストは言葉にできない。

地味に、ポケモン、ソニック、鉄拳、プレステなど日本の製品が出てきて驚いた。
トム

トム