とても印象に残っている作品で、10年以上振りに鑑賞した。
やっぱり良かった。
借金の取り立て屋を生業としていて、暴力も厭わないサンフンが、ある女の子と出会い、この境遇からなんとか足を洗おうともがく物語。
生意気な女子高生ヨニを演じた、キム・コッピがとても良い。
韓国は男尊女卑が激しい国だと聞いたことがあるが、韓国映画でそれが描かれるということは、やはり根底にあることを認めざるを得ないということなのだろうか。
躊躇なく他人に暴力を振るうサンフンと家族からたまに暴力も振るわれながら、こき使われているヨニ。そんな彼らが自然に心を通わせていく過程が素敵。
サンフンのお姉さんもとてもいい人で、サンフンのことをいつも気に掛けている。その息子（サンフンにとっては甥っ子にあたる）が、子役なのに雰囲気があって、キャストがほんと魅力的。
チョン・マンシクはサンフンが働く取り立ての社長役。取り立て屋をしてはいるものの、人間味溢れる役どころも良かった。
皮肉な結末には2度目の鑑賞ながら衝撃的だったし、ヨニの境遇を思うと、しょっちゅう観返すにはしんどい。
・・だけど、なぜか好きな作品だ。
