一人旅

さよならゲームの一人旅のレビュー・感想・評価

さよならゲーム(1988年製作の映画)
3.0
ロン・シェルトン監督作。

米マイナーリーグで二塁手として6年間プレーした異色の経歴を持ち、スポーツを題材とした映画を得意とするロン・シェルトンの監督デビュー作で、マイナーリーグの選手二人とヒロインの交流を描きます。

期待の大型新人としてマイナーリーグの弱小球団ダーラム・ブルズに入団した新人ピッチャー:ニュークと彼の教育係に任命された落ち目のベテランキャッチャー:クラッシュそしてシーズン毎に新人選手の世話係を務めることに生き甲斐を感じている紅一点のヒロイン:アニーの3人の男女が織りなす夢と現実のスポーツドラマの佳作であります。

メジャー昇格を夢見る期待の大型新人と最盛期をとっくに過ぎたベテラン選手との関わりを老いと若さとの対比の中に描き出した作品で、独特の教育法で新人選手の才能が開花していく一方で、加齢による身体機能の低下によって第一線からの引退の時が迫るベテラン選手の姿にスポーツ選手としての悲哀が滲み出ています。

仲間との切磋琢磨の末に勝利を得る通常のスポ根モノとは趣きを異にし、夢の舞台に大きく羽ばたく者とその場から静かに去りゆく者の対照的な行く末を、両者の野球人生に深く関わり合うヒロインとの三角恋愛を軸に映し出した“スポーツ+恋愛ドラマ”で、主演のケヴィン・コスナーが現役に拘るベテランキャッチャーを、ティム・ロビンスが傲慢ながら才能豊かな新人ピッチャーを、スーザン・サランドンが野球選手に愛を捧ぐヒロインを好演しています。
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