naoズfirm

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

3.8

ロードオブ・ザ・リングシリーズ第3章🎬

ストーリーはの冥王サウロンの指輪を破壊する為、壮絶な冒険を繰り広げてきたフロド達の最後の決戦を描いた作品でした。今作はアカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞・作曲賞・歌曲賞・美術賞・衣裳デザイン賞・メイクアップ賞・視覚効果賞・音響賞・編集賞の11部門を受賞しました。また第61回ゴールデングローブ賞の作品賞・第30回サターン賞のファンタジー映画賞など数々の賞を受賞しました。

"テーマ曲"
今作は音楽が作品を盛り上げていました。音楽は、映画を形作る重要な要素です。実際3部作を通じハワード・ショアによる音楽が作品を彩りました。特にそれを強く感じたシーンが狼煙のシーンとローハンがミナス・ティリスに駆けつけるシーンです。過去の因縁からゴンドールに援軍を出そうとしないローハンのセオデン王、それを見かねたガンダルフがピピンを連れてゴンドールの首都ミナス・ティリスに向かいます。やはり援軍を求めようとしないゴンドールの執政デネソール。そこでガンダルフはピピンを使って、援軍の求めを意味する狼煙を上げさせます。ピピンが監視の目をかいくぐり狼煙に点火すると、それを見て隣の山に狼煙が上がり、それはさらに隣、そのまた隣へと繋がっていきます。雄大な山々の映像の背景に奏でられるのはゴンドールのテーマ曲。そして狼煙がローハンに届き、セオデン王がそれに応え援軍として向かうことを決意すると、ローハンのテーマ曲が流れます。ただ狼煙が繋がっていくだけのシーンですが鳥肌モノです。ガンダルフがミナス・ティリスの街を白馬で颯爽と駆け登るシーンでゴンドールの曲は印象付けられていますし、前作でローハンの曲は存分に印象付けられています。この狼煙のシーンでは、ゴンドールからローハンへ狼煙がつながる感動を、意味付けされた音楽によって見事に盛り立てていました。2つ目のシーンも、このシーンからつながるシーンです。既に戦いが行われているペレンノール野を丘の上から眺め、敵の大軍勢を目にします。自らも死を覚悟する中で、セオデン王が馬上から軍を鼓舞するシーンの熱さは涙しました。この後ローハン軍が敵に突撃していくところで、高らかにローハンのテーマ曲が流れた瞬間、鳥肌どころか体が震えました。音楽の力は偉大だと強く感じました。

"アクション"
ミナス・ティリスで繰り広げられる戦いは凄かったです。オリファントが暴れ回るシーンやナズグルが飛び回るシーンなどは迫力がエゲツないです。そしてローハン軍の登場です。男装して戦うローハンのエオウィン姫が魔王と対峙し、兜を脱ぎ、"私は男ではない!"の台詞とともに魔王を倒すシーンの熱さは半端ないです。他にも海賊船の到着シーンやレゴラスとギムリが魅せるアクションなど見所満載です。

"仲間の絆"
前作に続き、指輪の誘惑に耐えるフロドと彼を助けるサムの健気な姿には感動します。火口を目前に倒れたフロドを鼓舞するシーンは最高です。「指輪の重荷は背負えませんが、あなたは背負えます!」このシーンは涙です。アラゴルン達は敵の目をフロド達から逸らすために、残りわずかな兵を敵の本拠であるモルドールの黒門へと進めます。ここでの一連のシーンもたまりません。怖気づく兵を鼓舞するアラゴルン。

「人間の勇気がくじけて、友を見捨てる日が来るかもしれぬ。だが今日ではない!魔狼の時代が訪れ、盾が砕かれ、人間の時代が終わるかもしれぬ。しかし今日ではない!今日は戦う日だ!」

アラゴルン一番の見せ場です。敵の大群に取り囲まれ、「エルフの隣で討ち死にするとは」とつぶやくギムリに対し、「友達の隣でなら?」と言うレゴラス。「いいね、それならいい」と返すギムリ。ドワーフとエルフ、仲の悪い種族同士である2人ですが、闘いを通して育まれた友情があふれていました。この後、ウロンの目からの誘うような声に歩き出すアラゴルン。皆の方へ振り返り、「フロドのために」とつぶやき、先頭を切って敵に突撃していきます。これに続いて、真っ先にメリーとピピンが駆け出していくのが良いです。後に続いて駆け出した残りの兵士達に次々に追い越されていく短いカットが入りますが、これがとても効果的です。身体的には人間に劣ったホビットでありながら、彼らがいかに強い勇気と仲間への想いを持っているかが際立っていました。
naoズfirm

naoズfirm