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ロリータのろーたすのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.8
決して"少女への狂気愛を拗らせたヒステリックな中年男“ではなく、"人が人を狂気なまでに強く愛したとき"を描いた作品。

少女であるロリータに惚れたんじゃなく、惚れたのが少女だっただけ。実際、大人へと成長し、男性的なステータスも何もない平凡な男と結婚し、ボロ家に住む彼女に再会しても連れ出そうとしたし、有金全てを手渡した。
ロリータを本気で愛していたハンバートが、本気故に束縛したり、質問攻めしてしまう。他の男の存在を疎遠にさせる。
ハンバートに惚れた夫人が、ロリータをキャンプへ行かせて距離を取ったのとダブる。
自分だけを見てくれ、自分といれば幸せだ、と言わんばかりに必死になる人の性(さが)を描いたキャラが中年男と少女だったというだけ。

ロリコンの語源となった作品と言われているし、夫人を抱きながら娘の写真を凝視するハンバートの画はかなりクズいけれど、S・キューブリックが描きたかったのはロリコン的な事ではなかったと思ってる。
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