ヴぇる

ロリータのヴぇるのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.4
不思議な魅力を持つロリータ、彼女をもっと見たい、画面の前に映し出してくれと願うこちらの思いは主人公がロリータと2人きりになりたい思惑と一致する。恐らくそれはキューブリックの手法であり、彼の掌で踊らされているのだろうが、心地よい気分だ。
長尺な今作品の最初の1時間は必要な時間であり、母親がいるからこそこの焦燥感が煽られロリータが恋しくなる。

ただ中盤は少し冗長気味でダレル場面もある上にコメディ要素があるにはあるが、古典的過ぎて少々厳しい。

終盤に差し掛かって多少盛り返した
印象はある。嫉妬に狂った男がいかに滑稽か誰にでも1度は経験があるだろう。その男の哀れなラストには少し同情する自分もいた。

総評としては、主人公自身への感情移入は果てしないほど出来たが、物語への気持ちが入ったのか?と問われればNOである。
1つの新たな手法や人の営みを表した当時としては傑作作品だったのだろう。最大の敬意を払いたい。
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