イルーナ

スパイキッズ3-D:ゲームオーバーのイルーナのレビュー・感想・評価

2.5
【ゲームオーバー~スパイ家族、クソゲーに挑まんとす~】

スパイキッズシリーズも3作目。本作の肝はズバリ3D。
要するに飛び出す映像がウリなのですが、そのため、前作・前々作と違いほぼアトラクション性に特化した作風に仕上がっております。
しかも赤青セロファンのメガネ着用というアナログさで、その制約上派手なカメラワークもできない。
……ロドリゲスは最新技術にかなりこだわってる印象なのですが、ここだけアナログ路線なのがらしいというか。

前作でOSSを退職し、探偵になったジュニ。実際に前作でも探偵になりたい旨の発言をしていたけど、マジで本心だったのか。
OSSからは何度も復帰を要請されてるみたいですが、一方的に責任をなすりつけられ一度クビにされた件を相当根に持ってる様子。
(ちなみに前作の黒幕だったダナゴンの件はあまり気にしてない模様)
と思っていたら、大統領になったOSSのトップから「OSSに引退はない」と半ば脅迫めいたメッセージが。やっぱりブラック企業じゃねーかOSS!

こんなブラック企業に付きまとわれてるジュニが不憫ですが、姉がゲームの世界に囚われたとのことで復帰。
おかげでカルメンの出番が後半しかない!リアルが忙しくなって、撮影の予定がまともに取れなかったんでしょうか……
他の家族に至ってはラストにしか出てこないし、寂しいものがある。
ゲーム世界も、あれだけ売れてた割に姉弟以外のプレイヤーが少ないし、一見派手に見えてこれまた寂しいものがある。
同じゲーム世界の映画だと、だいぶ後の『レディ・プレイヤー1』でプレイヤー数はもちろん、世界観の肉付けも段違いになっててその描写の進歩に感動するかも。
ジュニはスパイを引退したのが響いているのか、3回も騙されてる。1回目と3回目は不可抗力だけど、2回目は同じ奴なんだから気づけよ!
他プレイヤーとはレースゲーム後に行動を共にすることになるのですが、こいつらジュニのことを妨害してたかと思ったら唐突にゲームクリアのキーマンのキャラだと思い込んだり、レベル5到達目前でこれまた唐突に騙しキャラだと疑い出したりとやってることがブレッブレ。
代わりに活躍するのがおじいちゃん。今回の黒幕と因縁があるとのことで乗り気ですが、現実世界だと車椅子故に帰るのを渋る描写があったのが最初観た時一番印象に残ってました。
さらに黒幕との決着をつけたのもおじいちゃんだった。実質おじいちゃんが主役ですねこれ。

しかしジュニ、大きくなったなぁ。カルメンなんかもう立派な大人のお姉さんだし。
という訳で最初のキャストで作れる最後の作品なので、ラストでこれまでのメインキャラが勢揃いするのはやっぱり熱い。
遊園地のオーナーまで呼ばれてたけど、どうやって戦うんだ?と思ってたら……こんなに強かったの?!まあ、一人で絶海の孤島に行けるくらいだからバイタリティ凄そうですが。
前作でマスコット枠か?と思わせといて、舞台設定の都合で散々な扱いを受けたラルフのドアップで終わるのは、やはり作り手ももったいないことをしたと思っていたのでしょうか。
(とはいえ本作の舞台は仮想世界だから、やっぱり活躍できない。ラルフはマスコットのポテンシャルが高いキャラなのに、つくづく舞台に恵まれてない……)
そしてエンドロールの後には、オーディションを受けてた頃のカルメンとジュニ役の子役の姿が……!
最初観た時は内容が薄いなぁ、黒幕が改心するのが早すぎる程度にしか思わなかったけど、今観ると子役の成長っぷりが感慨深いです。

アニヲタwikiにまとめた記事
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/55139.html
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