今でこそメジャーシーンの人である庵野秀明だが、かつては天才アニメーターとして「その筋では有名な人」だった。
その氏の天才が爆発した最初期の作品。
戦闘機の墜落シーンや、ロケット打ち上げの際の霜が剥がれ落ちる表現など、セル画に1コマ1コマ手で描かれたアニメーションだとは今もって信じがたい。
何のイズムもない主人公が宇宙に出て、ちょっとだけ意見のようなものを持つ……というような話じゃないかと思うが、正直ストーリーはオマケで、この世界観とアニメーション表現の巧緻を見るのが主眼の映画だろう。
あと音楽担当の坂本龍一が気に入らなくて黒歴史にしてるというのもちょっと面白い。
しかし平均年齢24歳という子供に毛の生えたくらいの若者たちが大企業から金引っ張って劇場アニメ作ったのって、後にも先にもこれが唯一の事例じゃなかろうか。