manami

王立宇宙軍 オネアミスの翼のmanamiのレビュー・感想・評価

-
お調子者でその気になりやすい主人公のシロツグラーダット。なにしろ声が森本レオなので、普通に話してる時はまだしもモノローグになるととたんに、かの有名な人面機関車が思い浮かんでしまう。
それはさておき、王立の軍でしかも人類初の有人飛行を目指すっていうんだから、ストーリーはなかなか壮大。そして世界観がとにかく驚異的に作り込まれてる。過去のような未来のような、日本のような異国のような、この世界のようなパラレルワールドのような。
神や信仰、神話に関して語られたかと思うと、「存在しているということは、すなわち存在価値があるということ」という哲学的な会話も繰り広げられる。登場人物たちは文明、戦争、歴史などにも言及する。
なのに宇宙飛行士になるための訓練がものすごくアナログで人力で、こんなんで宇宙なんか行けるのかと大いに不安をかき立てられるわ。そのアンバランスがまた楽しくもあるけどね。
音楽は教授こと坂本龍一。個性の潰し合いになるのではと思ったけど、意外と良かった。
最初は不純な動機で大役に志願した青年が、英雄だとまつりあげられたり社会の厳しさを目の当たりにしたりという経験を通して、責任感使命感を得ていく。それに周囲の人々も同調していく。彼らの姿と、今作スタッフの天才的オタク達が今や現代日本アニメ界のビッグネームとなっている現実がなんだか重なって見える。

261
manami

manami