毒茸

ファイト・クラブの毒茸のネタバレレビュー・内容・結末

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「暇と退屈の倫理学」の紹介より。
紹介にもあった序盤に主人公の部屋がまるでブランド北欧家具のカタログであるかと思える演出が凄かった。
消費社会への警鐘というのが主題。
1999年公開ということはスマホやSNSの普及により誰でも不特定多数への受信・発信が容易となった現在と比較して、消費は個々の為の消費(承認欲求を満たす手段ではない)の側面が強く、コンテンツも限られた量を消費(消費に至るまでのコストが高いため)していた時代だと思うが、その時代にこの映画を作れたのは先見の明によるものなのか、あるいはその時代に既にあった消費についての問題について考えつかない・重要視できないほど自分が消費社会に毒されているのか。
タイラーのような自由な生き方への憧れや、自由になるために今持っているものを自ら失ってみたいという願望、その願望を叶えるための勇気がないことなど共感できるところがかなり多かったが、資本主義社会への挑戦という点に関しては思うところはあれど共感には至らなかった。
その他雑多な感想として、タイラーの服装や所作は良かった。エリート勤めであれだけの家具まで揃えて暮らしていた主人公がサビだらけの汚い水で平気で歯を磨いているシーンに(それまでの暮らしから)一線を越えたという印象をもった。
毒茸

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