かなり久しぶりに鑑賞したのだが、オープニングの音楽がかっこよすぎて、いきなり当時味わったテンションに引き込まれる。
アンチ消費社会といった映画であり、不満を抱えた多くの人間がその退屈さ、またはその鬱憤をはらすため殴りあう。この時代を象徴するような映画に当時私もこの映画に興奮していたが、よく考えれば現代社会でも今だにこの消費社会の構図は変わっておらず、その解決策は見出せていないと感じた。
ラストのネタバレ的な展開に関してははさほど面白くはないのだが、そこにいたる過程の描き方や映画の質感はデビットフィンチャー独特の世界観があり、観ていてうっとりと感じる。
劇中ところどころにサブミリナルにフィルムの1コマにブラッドピットが紛れ込んでくるが、この仕掛けは映画の内容をなぞっていて、当時話題となっていたのを思い出した。
こういったシニカルな遊び心があるので、このテーマにしては説教くさくなくて、センスも感じれる。
久しぶりに観ても楽しめる映画だった。
