めしいらず

ファインディング・ニモのめしいらずのレビュー・感想・評価

ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)
2.9
”はじめてのおつかい”を思いっきり波乱万丈にしたようなお話。我が子を手許から初めて一人で外に出す親の心境。過保護とも思えるこの父の心配性には理由がある。案の定、子は父の前でイキってしくじって二人は離ればなれになってしまうけれど、それぞれが周囲の共感と協力を得ながら再会を目指す中で強くなっていく。親子の成長譚としては然もありなんな展開なのではあるけれど世界観がとても魅力的。今まであまり作家性を感じさせないフルCGアニメに苦手意識があったけれど、海中の不思議世界の幻想美を見せる本作の映像表現にはとても生きていたと思う。深奥ほど闇が濃くなっていく海溝の怖さ、クジラが迫る場面の奥行き、クラゲの群れを抜ける場面など画に凄味がある。本当に水の中にいる感覚がずっとあるのもアニメ表現として稀有である。
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