trsw

誰も知らないのtrswのネタバレレビュー・内容・結末

誰も知らない(2004年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

苦しい場所で生きるということにおいて、思春期という年代はあまりに絶望的すぎる

一方でもう少し小さな子供からすれば悲劇の中にも永続的に続く遊びがあって、その楽しみの中に自らを見出しているのだろう
だから劇的に物語を動かすのではなく、繰り返される遊びの局所に、あるべきでない現実を浮き彫りにする
カメラの切り替えがちょっと不自然だったりするのも、そういった視点への寄り添いを感じる

2003〜04年の東京は自分にとっても特別な場所 なぜなら自分の意識が初めて存在していた場所だから
アテネは記憶にあっても日韓ワールドカップはなく、気がついたら1000円札は野口英世だった時代に沢山の人が生きていて、それを映像に映してくれるというだけで心に響くものがある

「万引き家族」のバリエーション元であることは明白だし、「パラサイト」「はちどり」といった近年の韓国の出色作への影響もここにははっきりと映っています 終盤の橋のカット、どう考えてもそうじゃんね、、、、素敵だね、、、

欠陥ばかりが目立つこの世界で生きていくにあたって、「共犯」関係を作っていくことを否定しない是枝さんの哲学を、オリエンタリズム的な観客としてではなく、当事者として直視することを心掛けています
trsw

trsw