このレビューはネタバレを含みます
残酷な、ショッキングな内容を予想していたので手をこまねいていたけど、勇気を出してやっと鑑賞。
しんどいシーンは多々あったけど、残酷に思わせない雰囲気づくりがされてたという印象。
是枝監督の作品だと知らなかったので、冒頭名前出てきて、「あ、じゃあそんなに激しくないかも…」と一気に気持ちのハードル下がった。
つらくなったのは、お母さんが新しい男の家の電話出てきた時と、お年玉偽装してる時とそれを京子ちゃんが気付いた時、そしてやはりゆきちゃんが亡くなった時の諸々。
お年玉偽装してる時、最初なにを女性店員さんにお願いしてるんだと気づかなかったけど、あとでお年玉渡してて「うわーーー!!!」って声出た。明くんあまりにも長男で泣く。
お母さんいる時は節約しながらも自炊してて「まじで一番安いのはカップ麺とかパンとかだけど、栄養考えて自炊してるんだ偉いな」って思ってたら、物語進んだらよりお金がなくなってカップ麺とか食べてたし、さらに進んだら廃棄予定の商品と公園の水と紙(泣く)になったので、まだ最初は全然マシだったんだなと思った。
明くんの演技と雰囲気が上手かったと思う。長男で家庭を支えていて、歳の割に大人びてるけど、やっぱり学校に通いたい友達と遊びたい楽しいことしたいっていう欲は抑えきれない。この映画を保たせるのは彼の演技にかかっていると思うけど、見事演じていらっしゃった。
最初にも書いたけど、とんでもない状態になっているのに、残酷に感じさせない雰囲気づくりがされていた、と私は受け止めている(違うかもしれないけど…)。
あの子たちはいずれ、元になった事件のように警察や児相やらが入ってずっと一緒にはいられなくなるんだろうと思うから、この生活の終わりは見えてる(もちろん一般的には続けるべきではない)。
ゆきちゃんは死んでしまったし。
けど作品の終わり方としては、悲壮感だけではなくて、それでも今日を生きるために前を向いてみんなで歩く子どもたちで終わっていて、そこが鑑賞前の印象と違っていてかなり予想外だった。
私は残酷なシーンが観たいために鑑賞したけど、何をみせられていたんだ…?と自分だけが最低な大人になって終わった。すみませんでした。