いけぴ

誰も知らないのいけぴのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.0
コロナ禍に直面したわれわれ市民の生活はこれからどのように変わっていくのか、これを考えない日は無い訳ですが、社会的マイノリティの人々、たとえば無戸籍の人たちの生活や補償はどうなるのだろう、と考える機会が最近あったため、(こじつけ甚だしいですが)今回鑑賞に至った。

とはいえ観た上で分析できるほどの理解はないけれども、平時でさえ誰も気づかない(「知らない」)のに、この実態をこれから行政や地域はどこまで把握できるのかと心配になる。

コロナ禍を経て迎える世の中のことを考えた時に、各々が以前と同じような暮らしを送るだなんてことは到底想像できないし、全く不可能なことであるとも思う。
ただこれは100%ネガティヴな意味ではなく、社会のrebuildではなくinnovateを目指した時に、citizenshipやnationalityの多様性をいま一度見つめ直し、官民による補償の対象と内容の改善や提案が積極的に行われる社会になったらよいなあ、そのために国民一人ひとりが政治をクリティカルに見つめて声を上げなくてはいけないなあ

と、観終わったいま、しっちゃかめっちゃか脱線しながら色々思うことがありました。笑

映画自体は、脇役の大人たちがみんなチョイ役なのに、キャスティングが豪華なのが面白かった。
串田和美なんて顔ちゃんと見えたか、、??
暗がりで全然見えなかったと思うんだけど、、贅沢すぎる笑
唯一?のチョイ役でなかったYou、いい!
明の役とけい子の役、それぞれ柳楽優弥とYouは代えが利かないと思った。
以前Youの演技を見ていいなあと注目したのは『ゴーイングマイホーム』でした。
是枝作品にもこんなにもマッチしてしまうんだね。Youはもはやただのタレントではない。また是枝作品で見たいと思わせてくれる俳優!

演出自体は『万引き家族』の方が好きだけど、『誰も知らない』も子どもたちの「無戸籍」の姿があまりにもリアルだったように映った。
15年以上前の作品であるとはいえ、今の社会に向けても問題提起をしてくれる作品だと思うので、また多くの人が観てくれることを願う。
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