いがらっしー

宇宙の法則のいがらっしーのレビュー・感想・評価

宇宙の法則(1990年製作の映画)
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昔、脚本を薦められて、読もうと思って保留していたが、映画を観て、改めて読んでみたいと思った。
『50年代の小津監督作品と比較されうるファミリードラマ』といわれているほど、映像も美しくて、内容も80年代の昔懐かしい日本の家族の話になっている。
というのも、この映画は、
80年代後半に、愛知県一宮市在住の小島敏弘さん(当時30歳)という映画とは関係のなかった方が、そこのスタッフの旭井寧さんと「自分らの日頃考えていることや、おれたちはこの町で暮らしているんだという根っこのようなものをぶち込んだ」シナリオを書き上げ、その熱意で、「真に普遍的なもの、インターナショナルなものは実は等身大の自分たちの姿ではないか』という考えをお持ちの井筒監督をその気にさせた事から始まったらしい。
そういえば、マーティン・スコセッシ監督やポンジュノ監督をはじめとする様々な監督も言われている通り、個人的な小さな事象こそが、誰もが理解できる普遍的な事象なんだから、元々素晴らしい脚本だったに違いない。
しかも、この映画、世界初のデイライト・フィルム(イーストマン・コダック社のもので、篠田昇カメラマンと渡辺孝一照明部が撮影)だけで撮影撮影されたらしく、ワンショットに電球と蛍光灯の光が再現されたりしているシーンもあって、実に美しい映像になっている。

この作品、名優という方々の若い頃の演技も観れて、実に素晴らしかった!
と絶賛したいところだが、唯一、気になったのは、愛知県一宮市の話なんだから、もう少し、それらしい中部弁を聞かせて貰いたかった。
残念ながら、関西弁、若しくは関西弁もどきになってしまっている方ばかり。
中部出身の私には、
「そこがえらい、気になってまったがな!(^_^ゞ」
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