swansong

気狂いピエロのswansongのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
4.1
学生時代、 大阪梅田(たぶん三番街シネマ)での再上映(パンフレット販売あり)にて鑑賞。

ヨーロッパ映画に疎い私にとって、 これが初めてのゴダール作品でした。

70年代アメリカ映画に慣れ親しんだ眼には、 この映画の強烈な色彩がとにかく新鮮!
島を取り囲む真夏の海やベルモンドの顔に塗られたペンキなど、 さまざまな「青色」が忘れられません。
アンナ・カリーナがハサミを持ってる構図も素晴らしい。

「おお~、 訳わからんけど、 なんかスゴいもん観た!」

嗜好の偏っている「大きなお友だち」タイプの私でさえ、 この作品には形容しがたい魅力を感じたのであります。

ところが、 その勢いに乗って「気狂いピエロ」の直後に観に行った同監督の「パッション」は、 当時二十歳そこそこのジャンル映画を偏愛する若造には理解できないシロモノだったのです。
だいいちベルモンドが出てこないし… (笑)

「正直、 インディ・ジョーンズのほうがオモロいな…」

小さく呟いたつもりの一言を周りのお客さんにしっかり聞かれてしまい、 ものスゲー白い目で睨まれたのでした… (事実です。)

とかなんとかいろいろあって、 私は未だにゴダールの映画を上記の2本以外観ておりません。
もっと言うと、 ヌーベルバーグ(ヌーヴェルヴァーグ?)というものをほとんど知りません。
フランソワ・トリュフォーも、 私にとってはいつまでたっても「未知との遭遇」のラコーム博士のままなのです。

でもそれって、 これからの人生に大きな楽しみを残してるってことですよね?
swansong

swansong