Antaress

許されざる者のAntaressのレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
3.2
この映画の評価が高いのが理解出来ない。イーストウッドもハックマンもモーガン・フリーマンも好きなんだけど自分のツボじゃなかった。

ビリー・ザ・キッドが早逝していなかったらとの設定だそう。ジイ様になってからのイーストウッド作品の多くに共通する過去を引きずる老人の話なのね。

マニーの亡妻の母が『娘は何故あんな男と結婚したのか?』と疑問に思ったと言うシーンで終わるが答えは明確だ。男の内面がどんだけクズでも性的魅力に惹かれる女は一定数居るものだ。これは男女逆でも同じ。

クズの中にほんの少しでも優しさが見えたりすると尚更離れられなくなったりね。

妻に先立たれたマニーは子ども二人を育てる為にどうやら良い父ちゃんをやっていた様だから改心したらしい。それでも過去の罪が消える訳ではない。

ここら辺の設定はアメリカが行って来た原爆投下やらベトナム戦争やらへのアンチテーゼであろうことは分かる。だからこそアカデミーを賞4部門も受賞したのだと思う。

日本人で、女である自分にはチャンチャラ可笑しいんだけどね。

アメリカが振りかざす正義はしばしば男がモラハラすることへの言い訳と同じだ。だからこの映画を見ても何も感動しないし正義だのヒーローだの言われても臍が茶を沸騰させてヤケドしそうだ。

イーストウッドが『暴力ダメだよね。アメリカも良くないよね』と言ってくれるのは良いのだがそれに両手を挙げて『そーだ!そーだ!』と賛美する米国人も気持ち悪い。

とりあえず反省した態度を見せとこう。的なノリが嫌なの。




しかしイーストウッドはハックマンにクソ野郎を演らせるの好きよね。
Antaress

Antaress