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許されざる者のEyesworthのレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
4.8
【贖罪の決意】

クリント・イーストウッド監督が自身で主演を務め、アカデミー作品賞を受賞した西部劇映画。

〈あらすじ〉
1880年のワイオミング。娼婦に傷を負わせた2人のカウボーイに懸賞金がかけられ、平和に暮らしていた伝説の元ガンマンのウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は生活費を稼ぐために銃を再び手にする。そして、若きスコフィールド・キッドとかつての相棒ネッド(モーガン・フリーマン)と共に悪徳保安官が支配する町に向かう…。

〈所感〉
私事ですが、今年100本目の映画!!
それでもまだまだ映画欲が底を尽きないのでもっともっと沢山の作品を見たいです!!
本作はクリント・イーストウッド監督の西部観が存分に窺える貴重な作品。『ミリオンダラー・ベイビー』と同じくモーガン・フリーマンが相棒で、終始重めなマニーに対して終始軽めなネッドの掛け合いが相性抜群ですごく好きだ。スコフィールド・キッドを演じたジェームズ・ウールヴェットも終始せっかちで生意気な性格でオールドコンビに若き活気を添えていて良かった。血塗られた過去を持つ元ガンマンのマニーは最初こそ衰えが顕著だったが、フィナーレにかけて鋭利な凶暴性を取り戻していく様がクールだった。タイトルの「許されざる者」とはマニーであり、ネッドであり、ボブであり、保安官達であり、この時代に銃を握った全ての人間に当てはまる言葉だ。但し本当に名声通りの強さを誇ったのはマニーだけであった。そういう意味で真の許されざる者とは彼だ。覚悟を固めて、極悪人という称号を死ぬまで背負って生きていく。かつての罪を消すように罪を重ねる。その先に平和があると悟ったのだ。自分で選んだ贖罪の道なので、責められても何も文句は無い。それは大勢の敵と応戦する最後のシーンを見れば一目瞭然だ。そんな彼の勇姿を見て、男たるもの幾つになっても大切な者を守れる強さを誇りたい、心からそう思った。
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