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デイズ・オブ・サンダーのEyesworthのレビュー・感想・評価

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)
4.7
【アウトから追い越せ!】

トニー・スコット×トム・クルーズの『トップガン』の2人が再びタッグを組んだストックカー・レース青春映画。ヒロインはこの作品をきっかけにトム・クルーズと結婚したニコール・キッドマン。相棒役にロバート・デュバル。

〈あらすじ〉
カーレースにおける経験は浅いが、天性の才能を持つ青年コール(トム・クルーズ)は、レースカーのビルダーとして活躍したハリー(ロバート・デュバル)と出会い、ドライブテクニックを磨いていく。しかしあるとき、ライバルのロウディと共にクラッシュに巻き込まれてしまう。再起不能の危機に陥ったコールだったが、そこで女医クレア(ニコール・キッドマン)と恋に落ち、そしてロウディ(マイケル・ルーカー)との争いを経て、彼の想いも乗せてデイトナ・レースへの挑戦を決意する…。

〈所感〉
トニー・スコットとトム・クルーズなので、良くも悪くも「陸のトップガン」という印象が強くなってしまうが、こちらはより身近なカーレースという題材だけに爽快感と緊迫感が共存し、エキサイティングな映像体験ができた。スピードもテクニックも必須の一瞬の判断の世界で生きる彼を見てると、ヘルメットの「コール・トリクル」の文字が「ピート・マーヴェリック」と重なって見える。これを機に結婚するニコール・キッドマンはいつ登場するんだ?と思ったらまさかの女医役で驚いた。知的な彼女にピッタリの役だが、いかんせん若くて美人すぎるのでAVの企画物感は否めない。こんな女医おるか!戦う男系の映画ではヒロインは蚊帳の外が定番だが、サポート役としてこれ以上にない役柄で主人公を支え続けたのが好感。『アイズ・ワイド・シャット』では2人の役柄は倦怠期気味の夫婦だったが、本作では2人の青春ロマンスが見れて良かった。アイズワイドの前日譚のようにも見ようと思えば見えなくもない(あっちではトムが医者だが)。180cmのニコール・キッドマンと170cmのトム・クルーズの逆身長差がキュンなんだよな。また、ビルダーのハリーを演じたロバート・デュバルは若いキャストに安定感を添えるいぶし銀だった。メカニックではないコールと共通言語を作って指導したりして、コーチとしてもメンターとしても重要役割を果たしていた。そして、キムタクはいつもキムタクではないが、トム・クルーズはいつもトム・クルーズで、世紀のイケメンで必ずやってくれる男である。アクション俳優からの脱皮が彼の永遠の課題だったのだろうが、やはり彼のアクションは見応えがある。シンプルにカッコよくて面白かった。
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