21グラム。その重さの感じ方は人それぞれ。
余命一ヶ月、心臓移植の順番を待つ男。信仰に没頭することで心の平穏を保つ前科のある男。幸せな家庭にいる女。3人はひとつの心臓を巡り交錯する。
時間軸がとても行き来していることに気づくまで時間を要しました。正直前半はいまいちピンと来ていなかった。けれど、ある瞬間からグッと物語が加速しているように感じ始めて、目が離せなくなった。そして、余韻をたんまり味わった一作です。
無音のシーンの虚無感とひとりひとりの表情に逃げだしそうになるほど心苦しかった。
何をどれだけ失うのかは、境遇で全く違う。
私が21グラムを失う瞬間はどうなっているんだろうか。