竜平

21グラムの竜平のレビュー・感想・評価

21グラム(2003年製作の映画)
4.4
全く接点のなかった3人が「とある出来事」から交わってしまう。時間軸の異なる様々なシーンがまるでパズルのように徐々に合わさり、やがて全貌を現す。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが贈るどっしり濃厚なヒューマンドラマ。

主演のショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、この3人の存在感にとにかく圧倒される。人物それぞれにある背景とそれぞれを襲う不運な出来事には胸が痛むし、ストーリーが交わり大筋が観客に伝わる瞬間の、なんとゆーかゾワゾワ感なんかも物凄い。終盤っぽいシーンもわりと序盤に出てきたりするわけだけど、そこにいくまでの過程に意外性があったりして、また前述したような複雑なストーリー構成もあったりでこれは時間を忘れて見入ってしまうはず。あらすじをそこまで入れてない状態で見たほうがおもしろいかも、まぁ話が見えてくるまで少し辛抱は必要かな。演技対決で言えば、個人的にはナオミ・ワッツが優勝。

それぞれのエピソードに共通して出てくる「人生は続く」という言葉が印象的で、またタイトルになってる「21グラム」、この重さについて考えると非常に深い。静かで淡々としてるし、なかなか暗い映画ではある。とりあえずがっつり気分を落としたい人にオススメ、な気もするけどこの映画を見ると逆に救われた気持ちになるのって俺だけなのかなどうかな。
竜平

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